

頬や目の下、鼻の周りなど、少しずつ濃くなってくるシミ。シミの約80%は、紫外線が原因で出現してきますが、シミの原因となるメラニンのある深さなどによって大きく6種類に分かれます。
このためシミの治療では、そのシミが何であるのかを正確に診断し、それぞれのシミに対して効果的な機器・外用などを組み合わせてプランニングしていくことが重要です。
シミの種類
日光性色素斑
老人性色素斑・日光黒子とも呼ばれ、シミというとこのタイプを表していることが多いです。頬骨の近くや目の下などに出てくる、辺縁がはっきりした濃い茶色のシミです。大きさはさまざまで、20代の後半から出てくることが多く、時間がたつにつれて濃くなったり、大きくなったりします。原因となるメラニンは皮膚の浅いところ(表皮)に存在します。
雀卵斑
そばかす(ソバカス)のことです。鼻の周りを中心に目の下の頬に左右対称に細かく薄い茶色のシミがたくさんでてきます。子供の頃からあることが多く、紫外線が強い夏に悪化する傾向があります。原因となるメラニンは皮膚の浅いところ(表皮)に存在します。
肝斑
女性ホルモンのバランスの変化やこすり刺激、紫外線などが複合的に作用してできるシミです。妊娠出産やピルの内服を契機に出現することもあります。原因となるメラニンは皮膚の深いところ(表皮~真皮)に存在します。
ADM
後天性真皮メラノサイトーシスといい、「25歳頃から出現してくる」という特徴があるシミです。頬骨の近くに左右対称にできることが多く、日光性色素斑や雀卵斑とは違い、灰色から少し青みがかかった茶色をしているのが特徴です。原因となるメラニンは肝斑より深い部分(真皮)に存在します。
脂漏性角化症
皮膚の老化現象として出現してくるシミで、他のシミと異なり盛り上がってくるのが特徴です。盛り上がっていなくても、シミのない部分の皮膚とは質感が変わっており、触れると表面がざらざらしています。色は薄茶~黒色まで様々で、日光に当たりやすい頬骨、おでこ、鼻などにできやすいです。
炎症後色素沈着
ニキビの跡や虫刺されの跡などにでてくる茶色のシミです。皮膚の炎症が原因なので、顔だけでなく全身どこでも出現する可能性があるものです。色素沈着となっているメラニンは皮膚の浅いところ(表皮)から深いところ(真皮)まで様々に存在しています。
シミの診断


特徴のあるシミ(脂漏性角化症や雀卵斑)は診察で分かりますが、数種類のシミが同時に出ていることが多いため、肌画像カウンセリングシステム「re-Beau2(レビュー2)」を用いてメラニンを描出します。肉眼では確認できないメラニンや、肌深部のダメージを観察しつつ、ライフスタイルやスキンケアを含めてお肌のコンディションを診察することで、正確な診断を行います。
シミの治療方法
1、メラニンが浅いところ(表皮)にある日光性色素斑・雀卵斑(そばかす)
最新ピコ秒レーザー「ピコシュアプロ」を使用して治療を行います。ピコシュアプロは従来のピコ秒レーザーやQスイッチレーザーに比べてメラニンを効率よく破壊することができるため、今まで治療が難しかった薄い色のシミ・そばかすも取り去ることができます。従来はシミの部分に強いスポット照射を行い、メラニンを粉砕しシミを浮き上がらせて除去していましたが、ピコシュアプロは強い照射を行わずともシミの原因を効率よく、肌表面を傷つけずに粉砕するためかさぶたにならずにシミを取り去ることができます。治療後はテープ保護がいらないため、すぐにメイクすることができ、いつも通りの生活を送ることができます。
日光性色素斑・そばかす治療のポイントは「顔全体に複数でているシミを同時に治療する」こと。ヒルズグレイスクリニックでのシミ治療は、レーザー開発も手掛ける医師がピコシュアプロを用いて、ピコトーニング、ピコフラクショナル、そしてピコスポットの3種類をその方の肌コンディションに合わせたコンビネーション照射を行い、その後高性能メソポレーション機器「デルマシオ」で肌回復成分やNMNといった美容成分を深部まで導入していきます。この方法は顔全体のメラニンを破壊するため、気になるシミを薄くするだけなく、肌全体のトーンアップを行いながら、今後シミとして出てくるであろうシミ予備軍(潜在メラニン)も同時に消していくことができます。

2、メラニンが深いところ(真皮)にある後天性真皮メラノサイトーシス・色素沈着
これも「ピコシュアプロ」を使用して治療を行います。深い部分にあるメラニンを破壊するために、日光性色素斑やそばかすよりエネルギーを大きくしてピコスポット照射をおこないながら、ピコトーニングとピコフラクショナルを組み合わせます。皮膚の中でメラニンが奥に向かって広がっているため治療には複数回のレーザー照射が必要になることが多く、ADMや色素沈着に関しては、スポット照射をしても黒く浮いてくることが少ない傾向があります。皮膚の内側からのメラニン脱色が大切になってくるので、デルマシオによる施術を組み合わせるとさらに効果的です。

3、脂漏性角化症
脂漏性角化症は軽度のものであればピコ秒レーザー・Qスイッチレーザーでメラニンを破壊して取り去りますが、盛り上がりの強いもの等は、炭酸ガスレーザーで茶色く盛り上っている部分を蒸発させて除去します。当院ではピコ秒レーザーとともに高性能炭酸ガスレーザーを採用しており、皮膚のごく浅い部分を処置するだけでしっかり取り去ることが可能です。炭酸ガスレーザー施術後は皮膚を再生する薬を塗り、テープで保護します。皮膚は約1週間(処置した部位の大きさによります)で再生します。その後は数か月、紫外線や刺激を避けるようにしましょう。脂漏性角化症の原因は紫外線であることが多く、一つ盛り上がりがあるとその周りに予備軍が多く存在しています。このため、今盛り上がっている部位を除去しつつ、ビタミンA・C・Eやサイトカイン・成長因子を用いて傷ついた皮膚を再生させていくといいでしょう。

4、新しいメラニンを作らせない方法(シミの予防)
メラニンは紫外線や刺激によって肌がダメージを受けた場合に作られるので、まず大切なのは肌を刺激から守ることです。
日常生活で浴びる紫外線や屋内の可視光線であっても、肝斑など肌が敏感な状態の場合はメラニンが作られやすくなるため、紫外線だけでなく、ブルーライトや近赤外線(IRA)を防ぐことのできる日焼け止めを使用し、肌再生を促すビタミンA・C・Eを用いたスキンケアを行いましょう。
また、メラニンが過剰に作られないようにするために、体の外側だけでなく内側からもアプローチしましょう。インナーケアとして、抗酸化作用の強い成分(メロングリソディンやカロテノイド)や高濃度ビタミンCを内服しながら、1日1回のスキンケアとしてメラニン産生にブレーキをかけるシスペラやトラネキサム酸を使用することが推奨されます。
メラニンは毎日少しずつ産生されるものなので、お肌に蓄積しないようケアを行いながら、数か月に1度程度のペースでメラニンのリセット治療を行うといいでしょう。

症例紹介
日光性色素斑


肌再生プログラム「ヒルズフェイシャル」 ¥100,000 ×1
雀卵斑


肌再生プログラム「ヒルズフェイシャル」 ¥100,000 ×1
ADM


ピコフラクショナル ¥35,000 + デルマシオ ¥25,000 ×4
脂漏性角化症


炭酸ガスレーザー ¥5,000 ×1
施術の流れ
Step 1 洗顔
洗顔を行います。お肌に何もつけていない状態で撮影・施術を行います。

Step 2 撮影
肌画像カウンセリングシステム「re-Beau(レビュー)2」の撮影を行います。

Step 3 カウンセリング
医師によるカウンセリングを行います。気になる症状やお悩みをお伺いし、お一人おひとりに最適な治療法をプランニングさせていただきます。ご不明な点や不安なことがありましたら、遠慮せずお尋ねください。

Step 4 麻酔
レーザーによる痛みがご不安な方には、外用による表面麻酔を行います。(約15分)
炭酸ガスレーザーを使用する場合は、注射による局所麻酔後に照射を行います。


Step 6 メソポレーション
デルマシオで導入治療を行います。高濃度の有効成分をお顔に塗布し、ペン型プローブで肌に通り道を作成した後、ローラー型プローブで有効成分を導入します。

Step 7 パック
皮膚の再生を促すサイトカイン入りのパックでお仕上げをします。

Step 8 施術後
炭酸ガスレーザーの場合は施術部位にテープをお貼りします。ピコシュアプロの場合は、施術後に赤みが残ることがありますが、メイクしていただいても構いません。
Step 9 次回の施術
炭酸ガスレーザーの場合は2~3週間後に施術部位の確認のため再診をお勧めしています。ピコシュアの場合は4~6週間毎の施術を行うことをお勧めしており、お帰りの際に次回のご予約を承ります。どうぞお気軽に045-507-7420までご連絡ください。

施術のご案内
施術時間 | ピコトーニング ピコフラクショナル ピコスポット を組み合わせて 15~25分程度(気になるシミの数によります) |
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施術中の痛み | ピコトーニング 照射部位全体がチリチリするような感覚です ピコフラクショナル 照射部位全体がジリジリするような感覚です ピコスポット 照射部位が輪ゴムではじかれるような感覚です 感じ方には個人差があります。ご希望によりクリーム麻酔(¥5,000/全顔)が可能です。 |
施術後の反応 | ピコトーニング 照射部位にほのかな赤みがでますが、数分で消退します ピコフラクショナル 照射部位に赤みがでますが、数時間から数日で消退します ピコスポット シミの部分が一時的に濃く浮きますが、1週間程度で剥がれ落ちます。 |
安全性 | ピコシュアプロは3照射を組み合わせた治療が最も効果的で、Qスイッチレーザーのようにお肌に強いダメージを与えません |
副反応 | 皮膚不快感、紅斑、腫脹、点状出血、水疱形成、痂皮形成、内出血が発生する可能性がありますが、発生しても通常未処置で軽快します。また、色素沈着、膿疱、熱傷、白斑、色調の悪化、瘢痕、感染、アレルギー反応が起こりえますが、一過性で時間の経過とともに軽快することがほとんどです |
治療不適応な方 | 光過敏症の方、日光過敏を誘発する薬を内服をなさっている方、光によっててんかんが誘発される方、6カ月以内に、経口イソトレチノイン(アキュテイン®)を内服した方、照射予定部位に炎症や傷がある方、全身性炎症性疾患をお持ちの方、悪性黒色腫が疑われるほくろのある方、照射予定部位にヘルペスがある方、金製剤の内服・金の糸による施術等・金関連物質を体内にお持ちの方、妊娠、授乳中の方、4週間以内にレーザー・フォト系治療をお受けになった方、1週間以内にボツリヌス治療を行った方 |
価格




ピコトーニング | ¥25,000 |
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ピコフラクショナル | ¥35,000 |
ピコスポット | ¥50,000 |
デルマシオ デルマシオについて詳しくはこちら | ¥25,000 |
肌再生プログラム「ヒルズフェイシャル」 | ¥100,000 |
※ 消費税が別途加算されます。
当院では、様々な治療方法を組み合わせて、身体の内側と外側からシミにアプローチ。再発させないメンテナンスも同時に行ってまいります。